・ヤンゴンの長井さん射殺現場へ行く
ミャンマー(ビルマ)でデモ騒動が起き,日本人ジャーナリストの長井さんが射殺されてから,もう4ヶ月になる。今回は年末年始(つまり,3ヶ月後)に現場へ行ってきた。実際に自分の目で見たかったのと,今の現地の生の様子を知りたかったからである。
↑ 兵士が威嚇射撃していた場所だ。このときの映像は,世界中に流されている。この左向こうが,長井さん射殺現場だ。事件のときとは違い,ふだんは交通量がたいへん多い。人々も多く歩いている。なかなか思うように撮影はできない。
↑ まず,この画像は「ビルマ民主の声(The Democratic Voice of Burma)」(英語版→http://english.dvb.no/)から引用の画像だ。ビルマ人が,ノルウェーのオスロに拠点を置き活動している。国内では,検閲されて自由に活動できないからだ。ここのサイトには,今も当時の画像が置かれている。円内は長井さんだ。
↑ 同じ場所だ。店が開いており,露店もあるので,同じには見えにくいが,建物と看板見ればわかると思う。
↑ ロイター=共同から引用の画像だ。こちらは,拡大されている上に鮮明である。
↑ まさに,ここが現場だ。ご冥福をお祈りした。私がゆっくりと撮影していても,人々は知らん顔だった。あるいは,そこら中にいる秘密警察の目を恐れて知らぬ振りをしていただけかも知れない。知らぬ間に,私も公安に監視されていたかも知れない。
実際に現場に立ってみると,なんとも複雑な気分になった。街は,いつも通りに忙しく動いているが,3ヶ月前には間違いなくここでデモ騒動があり,長井さんをはじめ多くの人々が犠牲になったり,刑務所送りになった。今も拘束されている人は多いと言う。
↑ 「ビルマ民主の声」に届けられた映像は,この陸橋から撮ったと思われる。陸橋と言っても,階段は片方にしかない。もし,兵士に見つかって上がってこられたら逃げようがないのだ。撮る方も命がけだっただろう。
↑ 歩道は,人々が多く行き交い,店が開き露店も並んで賑やかである。知らなければ,デモ騒動があったなど,想像もつかない。現場は,画像右側だ。
↑ 倒れた長井さんが運ばれ,VTRが回収されてしまった場所だ。この右向こうはバス停になっていて,屋台が多くあり,ここもやはり人が多い。
↑ ところ変わって,ヤンゴンの北へ約300kmの町,ピイ。バスで約6時間かかる。鉄道だと,8時間〜12時間ぐらいかかってしまう。
ここには,ミャンマー3大パゴダの1つ,シュエサンドー・パゴダがある。ここで,ゆっくりとしていたが,ある僧侶が近寄ってきて話しかけてきた。私が日本人だとわかると「Mr.ナガイは知っているか?」と聞く。その後,軍の暴挙などを少し話した。どこに秘密警察がいるかわからないので,もちろん小声で一瞬だ。当時は,ここでも何か動きがあったようなことを言っていた。
情報網が未整備な上に,検閲がかかるこの国でも,ちゃんとすぐに伝わっているのだ。
↑ ピイより,さらに14km行ったところにある,シュエダウン村。ギュウギュウ詰めのピックアップトラックで30分ほどだ。有名なメガネをかけためずらしい大仏があるが,ふつうはここしか見ない。しかし,私はこの村のあちこちを歩いてみた。小さな村だが,立派なパゴダがいくつかある。私にずっとついてきた子どもたちが,いろいろ案内してくれた。まあ,ここに外国人が来ることは滅多にないだろう。
しかし,ここの寺院にいた人も「MR.ナガイを知っているか??」ときた。みんな知っているのだ。
↑ おまけに,その辺のふつうの家の人にも声をかけられて一休みすると,小声で「ナガイさんは…」と話しかけてくる。田舎と言ってもド田舎ではないが,こんな街外れの村のふつうの人々にも,ちゃんと情報が入っていることを知った。
↑ 再びヤンゴンの19th通り。夜になると,串焼きや生ビールの店が並ぶ通りだ。ここでは,多くのビルマ人が楽しそうに飲食している。路上ビアホールのようなものだ。外国人も時々いる。私は毎日通ったが,みんないつも楽しそうに飲んでいる。
そこで,ある客に密かに聞いてみた。「ナガイさんを知っているか?」,「知っているよ!」…やっぱり知ってたか。「軍政をどう思う??」,「大嫌いだ!!」,「生活が苦しい…」等々…
みんな思っていることは同じなのだ。
私が帰国した後の1月上旬にも,以前から武装闘争を行っている反軍政組織のカレン民族同盟(KNU)によると思われる爆弾テロ及び未遂が数回起こっている。これは,僧侶たちが中心のデモ騒動とは直接関連はしていないと思われるのの,反軍政には違いない。まだまだ不穏な動きはあるだろう。一般人が傷つくのは,大問題なのだが…
国際社会から批判され,注目されても変わろうとしない軍政。この先が思いやられる…
長井さんや僧侶,市民たちのご冥福をお祈りするとともに,一刻も早い軍政の撤退と民主化を願っている!!
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コメント
■ 毎日毎日、新しいニュー・・・
毎日毎日、新しいニュースがあって、結局、今現在苦しんでいる人を忘れていくんでしょうね。チベットでの暴動もニュースになっていますが、ずっと抑制されている人々の生活を、ニュースでちゃんと伝えてほしいな。なんて思いました。
うめきんさんは、現地で一般の市民の方々と接していますから、本当に貴重な記事を書いてくださっていると思います。
>みんなが日本人の「ナガイさん」を知っているのは驚きでしたね。
ちゃんと情報網があるのでしょうか。とても良いことですね。
■ この事件はもちろんニュ・・・
この事件はもちろんニュースで話題になっていたので知っていました。しかし、その後の状況とかはニュースでは教えてくれないため、この記事を読んでとてもためになりました。みんなが日本人の「ナガイさん」を知っているのは驚きでしたね。









