・バングラデシュ バティアリの船舶解体場

 世界には多くの大型船舶やフェリーがあるが、老朽化した船体は、どこの国で多く解体し
ているかをご存じか?昔は、日本などでもたくさん解体されていたが、じつは、現在ではその
ほとんどをインドとバングラデシュで解体しているのである。今の日本でも工場があるが、こちら
とは全く違うシステムだ。

解体場には、世界中から引退した大型の船舶が運ばれてくる。そして、満潮の時に一気
に砂浜へ突っ込むのだ。そういった船が多数並んでいる。大型のウィンチもある。

私が見たのは、バングラデシュのチッタゴン郊外のバティアリだ。

大通りからしばらく海岸に向けて狭い通りを入っていくと、何社かの解体場が並んでいる
場所がある。その前の通りには、ちいさい食堂などが並んでいる。
しかし、雰囲気はかなり悪い。

「あまり関わらない方がいい。治安が悪いので、気をつけて!」と、連れてきてくれたガイド
役のバングラ人は言う。このガイド役というのは、ホテルのボーイだ。休暇届を出して、オー ナ
ーに内緒でガイドしてくれているのだ。要するに、隠れたバイトだ。

この国は、まだツーリスト産業があまり発達していないから、こんなことがある。

 本来、一般人は解体場の中には入らせてもらえない。立ち入り禁止だ。さらに、ジャーナリ
ストやマスコミ関係は極端に敬遠されるらしい。

 ガイドが言う、「カメラを隠せ!」。そして、固く閉まった門の前で交渉をしている。しばらくし
て、「OKだ!」門が開き、中に入る。
事務所の建物を過ぎ、死角になったところで、「カメラはOK。でも、事務所から見えるとこ
ろでは撮影禁止だ!」と言う。その事務所の中から出てきた兄ちゃんがガイド役でついてき
た。この兄ちゃんは「撮影OK」ということだった。あちこちを撮らしてくれた。自分も喜んで写
っていた。でも、やはり「事務所から見えないように!」と言う。


こんな大きなフェリーが解体されていく。労働条件は劣悪で、危険極まりない。十分に
抜かれていない燃料の海洋流出。さらに、バーナーを使っての解体で引火の恐れがあ
る。また、多数の有害物質、アスベストなど多くの問題があるのだ。


大きな船体が、こんなになるのだ。よく、あんな巨大な船舶を大きな重機もなくバラして
いけるなと思う。

きちんとした作業服もなく、はだしで歩き回っている人さえいる。考えられないことだ!
ささくれ立った金属の鉄板やパイプ、破片などが多数散らばっているのだ。ケガはしないの
か!?


バラしたパーツが、バラバラに散乱している。バーナーで焼き切っている。焼くところをわざ
わざ見せてくれたりもした。さらに、この周辺を軽装で歩き回っているのだ。
給料も決して高くない。年間何百人も亡くなっているらしい。それでも、黙々と働く人々 であ
る。


こんな潜水艇もあった。反対側には「ASIAN TIGER HONGKONG」と書いてあっ
た。


バラした綱板を、みんなで運ぶ。肩に乗せて歌を歌いながら運んでいる。

かなり重そうだが、大勢で歌いながら運び、重さを感じないようにしているようだ。

こうやってバラしたパーツやエンジンなどを表通りの多くの中古パーツ屋で売っている。ダッカ
にも運んで売っているそうだが、ここで買う方が安い。リサイクルとしては、かなり効率がいいら
しいのだが

 現場では真剣に働いているので、撮影は嫌がるかと思ったが、みんな意外と愛想良く写っ
てくれた。

最後に、ボーイの方のガイド役が「チップ!」と言った。案内してくれた兄ちゃんにやれと言う
ことだ!一種の賄賂だ。しかし、本来は立ち入り禁止の上に、撮影まで密かに認めてくれた
のだ。これは仕方ない。

いくらかは忘れたが、そんなに高額ではない。ただし、日本の価値で言えばの話である。

 貴重なものを見せてもらった。しかし、これでいいのか?と考えてしまう光景だった

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コメント

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■  コメント,ありがとう・・・

 コメント,ありがとうございます。
 危険な仕事で,事故で亡くなる人も多いのに,働き手はたくさんいます。仕事がなくて飢え死にするよりも働いて死ぬ方がマシ…ということのようです。
 何とかならぬものかと,思う次第です。
うめきん | 2007-08-25 21:17 |

■ rattiさん コメントあり・・・

rattiさん
コメントありがとうございます^^
年間何百人も亡くなる現場で、歌を歌い笑顔を見せて働く彼らを尊敬しちゃいます。
ですが、治安の悪さはやはり、やるせなさや貧困ゆえだと想像できますね。
安い労働力のため、各国から船が集まるのでしょうが、、、ここにもフェアな取引が必要ですね。
地球まる | 2007-08-25 15:12 |

■ どんなに危険で賃金が安・・・

どんなに危険で賃金が安くても働かないと生きてはいけないからでしょうね。見た目にも決してらくそうではないのに、歌いながら運んでいる光景は、微笑ましいですね。どうせやるなら、”少しでも楽しく”なんでしょう。気持ちの持ち方で、主体的に仕事に取り組む、”ポジティブシンキング”ですね。一刻も早く労働条件が改善されることを願います。
ratti | 2007-08-25 11:57 |
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